Tengshing Kazama / interview with Exhibition miraiten #10 Artists


Q1. 普段はどのようなお仕事をされていますか。

現在は、北海道のお寺で僧侶をしています。

Q2. あなたにとっての「郷土」とはどのようなものですか。

東京に長く住んでいたので、戻ってきて改めて北海道の良さがわかったと実感しています。東京の方が優れている部分はいくつかありますが、北海道でしかできないこともあります。今回出品している雪を使った作品などは良い例です。また、今回の未来展では、これまで以上に多様な北海道出身の作家を集めて展覧会を構成することになりましたが、その中で北海道出身の作家が持っている特性があると感じました。その特性は作品から感じるだけではなく、作家としての考え方にも出ていると思います。例えば、東京では一つの作品が作家性を伴って見られることは難しくて、一人の作家として立ち上がっていくことだけで精一杯になってしまう。立ち上がって尚かつ、いろんなものに晒されて、そこでしっかりと立ち続けることは更に難しいことです。一方、北海道では、個人が強く立っていることはあまりありません。しかし、みんなで立ち上がろうとする傾向があるように思います。北海道の作家全員に当てはまるわけではありませんが、今回未来展に出品している作家に関してはそのような意識を感じました。

Q3. 旅へ行くとしたらどこへ行きたいですか。

できるだけ極地へ行ってみたいと思っています。 南極やヒマラヤなど、生命が生き続けることが困難な雪に閉ざされた環境に身を置いてみたいという気持ちがあります。好きな映画に《生きてこそ》(アメリカ映画, 1993)という作品がありますが、その中で出てくる雪景色が神々しく、その景色の中で血の通ったものが生きているというギャップに惹かれます。また、「寒い」という状況はある種の緊張感を与えてくれます。その緊張感というのは苦しいものではなくて崇高さを持っていると感じています。

Q4. 作品を通して伝えたいことはありますか。

もともと絵を描いていましたが、現在は屋外で作品を発表することが主となっています。屋外になった理由は、人が目にする機会が格段に上がる為です。そして作品も大きなものを作ることができますので、より不特定多数の人に見てもらえると思い、そういう形態を選ぶようになりました。
伝えたいというより、その作品がその人の視界に入っただけで、ある独特の印象が残れば良いと思っています。例えば、子どもが作品を見て、良くわからないけれど印象に残ったとします。そして、大きくなった時に、何かの拍子に思い出してもらえれば良いなと思っています。ですから、できるだけ普段の身体感覚とかけ離れたスケールのものをつくりたいですね。私は、子どもの頃に、人間の意識というものに疑問を感じていたことがあって、肉体があってこそ意識というものも伴うのだと考えています。ですから、今後も身体性をキーワードに作品をつくり続けると思います。

 

表紙
《Mountain》 2010 バルーン、ヘリウムガス、ネット、既存の公園
《stamp.》 2011 ステンレス板、既存の雪

 

インタヴュアー 片山実季 / Interviewer Miki Katayama


風間 天心/Tengshing Kazama

http://www.kazama-shingo.com/

様々なメディアを使用した巨大なインスタレーションを公共空間に展開。作家
と同時に僧侶でもあるため、仏教と美術の現代における交差点を作品化。

1979 北海道上川郡東川町生まれ
2008 武蔵野美術大学造形研究科美術専攻油絵コース 修了
2009 曹洞宗大本山永平寺 安居

[個展]
2010 「風間天心 sit.」/CAI02/北海道
2010 「日常茶飯事」/アンダーザライトヨガスクール/東京

[グループ展]
2003-10 「サッポロ未来展」/札幌時計台ギャラリー/北海道
2003-5 「011展」/GALLERY KUBOTA 他/東京
2007 「理化学研究所展示PJT」/理化学研究所/神奈川
2008 「MAUGEN∼武蔵美80周年展」/東京都美術館/東京
2010 「HANDGEPÄCK」/hinterconti/ハンブルク

[公募 その他]
2005 「東京コンペ#2大賞展」/丸の内ビル/東京
2006 「第9回TARO賞展」/川崎市岡本太郎美術館/神奈川
2006 「あおもりアート商店街」/昭和通り商店街/青森
2009 「町中アート'09」/上野公園、旧小島小学校、他/東京
2010 「いわきアートトリエンナーレ'10」/平中央公園/福島
2010 「500m美術館 10」/札幌地下鉄コンコース/北海道
2011 「スノースケープモエレ 6」/モエレ沼公園/北海道

[受賞]
2010 「武蔵野美術大学パリ賞」パリ賞