Satoshi Kikuya / interview with Exhibition miraiten #10 Artists


Q1. 普段は何をなさっていますか。

先日、金沢美術工芸大学の油画専攻を卒業して、この春から大学院修士課程に進学します。

Q2. あなたにとっての「郷土」とはどのようなものですか。

稚内市出身ですが、転勤族だったので稚内市、枝幸町、浜頓別町、札幌市と高校までに北海道の4つの町で過ごしました。5つ目の町は北海道ではなく石川県だったわけですが、あくまでも北海道が自分のホームだと思っています。大学進学以降、金沢で4年間過ごしていますが、人生の半分にも満たない期間なので、地元に帰る度に「あーやっぱ北海道だよなー」と感じます。美大には、いろんな都道府県出身の学生が集まっているので、「地元どこ?」という会話も多く、自分が道産子であることを強く意識する機会は北海道に住んでいた時よりも多いです。仮に海外に住むことになっても、北海道がバックにあることはずっと意識されることだと思います。

Q3. 旅へ行くとしたらどこへ行きたいですか。

自分の国さえまだ行ったことのない所だらけなので、まずは日本を旅したいとは思っています。もし海外に行くとしたら、アメリカ、オーストリア、フィンランド、タイ、インド、スペインなどなど。自分にとってエネルギーを受けそうな所に行ってみたいです。いろんな作品を見て得ることができるエネルギーと、その土地へ行って空気にふれることによって得ることができるエネルギーを体感したいです。ヨーロッパとアメリカは好きな画家が多くて、スペインでは《ゲルニカ》(パブロ・ピカソ, 1937)を見てみたいです。

Q4. 作品を通して伝えたいことはありますか。

僕の制作プロセスは、何となくこのモチーフを描きたいというものを描いていくうちに、絵が語りだしてそれに身を任せている感じですね。でも、結局はリアルなことを描きたいと思っています。惹かれる音楽やマンガには共通点があって、ユーモアと人間のしんどい部分が混在している点です。そこに何故かリアリティを感じるんですね。リアリティといっても、何かの基準によって限定されるものではなく、年を重ねるごとに変わっていくでしょうし、何かの事件によって今まで自分が持っていたリアリティが崩壊したり、そこからまた新しく構築したりするものだと思いますので、自分の狭い視野を押しつけたいとは思っていません。かといって観る人に全て委ねるというのもどうかと思います。
去年の未来展で「なぜ可愛いのに怖いのですか?」と質問をされました。その「可愛さ」は「ポップさ」であり、「怖さ」は「エグさ」の現れだと思われます。普段普通にテレビ観てるだけでも、同じ世界で起こっているとは到底思えない出来事に溢れ、でもそれが日常で、リアルだと思ってます。
そんな世界を肯定・否定するわけではなく、まして一方を麻痺させるわけでもなく、率直に絵を描けたらと思います。

インタヴュアー 片山実季 / Interviewer Miki Katayama

 

表紙 
《何れにせよ、その必要不可欠な猛毒から逃れる術は
無い事をまだ知らずにいるアウストラロピテクス》
2011 キャンバス、油彩
上から
《カラフル三途》 2010 キャンバス、油彩
《肉の蜜》 2010 キャンバス、油彩

菊谷 達史/Satoshi Kikuya

http://kikujilow.web.fc2.com

「モチーフの選択」「図形的演出」「色と形の操作」これらを施しイメー
ジで遊ぶという感覚が強くある。見た事のある像を組み合わせて描く中で見た
事の無いものが見えてくる。例えば光と影の2つが無ければ物体を視覚的に認
識出来ない様に、1つの要素だけで物の本質は見えてこない。幸福の中から毒
を搾り出し、絶望の中から微笑みを抉り出す様な絵が描ければと思う。

1989   北海道稚内市生まれ
2011   金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科油画専攻卒業
      金沢美術工芸大学大学院修士課程美術工芸研究学科絵画専攻在籍

[個展]
2010    「LITMUS」Kapo gallery/石川
      「SUGAR SPOT」北陸銀行アートギャラリー/石川

[グループ展]
2009-10 「サッポロ未来展」/札幌時計台ギャラリー/北海道
       「carré 」ギャラリー点/石川
2008    「99人展」名古屋市民ギャラリー矢田/愛知
2010    「carré à zurich」Zurich insurance company/スイス
       「Graphic art exhibition vol.13」RECT VERSO GALLERY/東京
       「アウトレンジ2010」文房堂ギャラリー/東京
       「作品展」Rufus Lin Gallery/カナダ
       「オルタナティブアートネットワーク」金沢アートグミ/石川
他多数

[公募・その他]
2011   「金沢美術工芸大学卒業制作展」金沢21世紀美術館市民ギャラリー/石川