Q1. 普段はどのようなお仕事をされていますか。
絵を描きながら、小学生や大人、予備校生に絵を教えています。上野の森美術館では、アート・スクールの助手をしています。
Q2. あなたにとっての「郷土」とはどのようなものですか。
スタート地点、それがなければ始まらないものですね。そこで生まれ育った風土というものが、自分がものを捉える時の見方の起源になっていると思います。北海道は、空間というものが良く見える場所であると言えます。現在、「空間」というものをテーマに描いていますが、起源からの影響が強いと信じています。
Q3. 旅へ行くとしたらどこへ行きたいですか。
身体的には、アラスカやスウェーデン、ノルウェー、グリーンランドなどの北へ行くことを欲している部分があります。けれども、精神的に行きたい国はイタリアですね。先程、「空間」をテーマに描いていると言いましたが、それとともに「食」をモチーフとして扱っていますので、おいしい料理があるイタリアには興味があります。
Q4. 作品を通して伝えたいことはありますか。
影響を受けた作家の一人にルノアールがいます。彼が描いたような人の温もりや愛を描きたいですね。日常にありふれていて気づかないもの、つまり誰かの帰宅を待つことや誰かのために何かをすること、家族の団欒などの誰かが誰かにかけた愛情というものが一番大事だと思っています。そういったものを伝えていきたいですね。
Q5. 以前は、風景など具体的な空間を描いていましたが、近年の作品ではとてもシンプルな空間を描いていますね。作品の変化に伴い、考え方なども変わりましたか。
作品では、自我というものが強く出てしまいがちですが、芸術において作家とはそれ程偉い存在ではないでしょう。また自分自身の中で、すべてを描くことによって不変を表現しているのかという疑問が生じました。最近では一つのものを描き、その周りにはあるそのものの時間や空気などを描くように心がけています。私が描いたモチーフを見て、「この周りの空気はそうだったな」などと、その人が自由に想像してくれれば良いと思っています。芸術は、人間界にしか存在していません。人との対話がおこなわれていないと芸術として成立しないのではないかと思っています。ですから、鑑賞者に想像を委ねることによって、完結すると捉えています。
私自身の芸術行為は、真実を探し求める旅のようなものです。本展を通じて、現在の芸術における動向や変化について捉えなおす機会として追求していきたいです。 |